「めだまやき」 作まど・みちお
戦後(せんご)に使われだしたのだそうだが
「めだまやき」ということばは
いたい いたくて
こわい
いきなり
この目だまに 焼(や)きごてを当てつけられるようで…
いや 小さな弱い生きものたちの
はだかの目だまに はだかの生命(いのち)に
この手が じかに 焼きごてを当てつけて楽しむようで…
いいことばだ
どんどん使え
使いなれて
平気のへいざになれ
あの「たまごやき」ということばのように と
何かにそそのかされるようで…
そのちょうしで
そのちょうしで いよいよ
さいげんなく
はてしなく ざんにん
ざんこくに
なっていけ と
何かにあおりたてられるようで… こわい
「めだまやき」ということばは こわい
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